プラットフォーム基盤開発の経緯

「協働プラットフォーム」の開発の経緯
 2000年に本団体の代表理事・長坂俊成(現、立教大学大学院21世 紀社会デザイン研究科教授)が地域社会の協働を支えるインターネットを活用した新たな市民メディアとして、eコミュニティプラットフォームのコンセプトを提唱し開発に着手しました。

その後、2004年に同代表が独立行政法人防災科学技術研究所に異動したことを契機として、地域社会の協働と減災型社会を支える相互運用型情報基盤としてeコミュニティプラットフォームの本格的な研究開発がスタートしました。

また、東日本大震災を契機として、eコミュニティプラットフォームを活用した被災地情報支援から得られた教訓を踏まえ、関係府省と連携を図りつつ自治体等の災害対応や住民等への情報伝達を支援する分散相互運用型のクラウドシステム「官民協働危機管理クラウドシステム」の開発に取り組み、2014年にオープン ソースとして無償公開しました。
 
東日本大震災で活用された「災害ボラン ティア運営支援システム」、「災害デジタルアーカイブシステム」、「罹災証明発行システム」、「仮設住宅等の被災者みまもり支援システム」、「がれき撤去 管理システム」、「官民協働危機管理クラウドシステム」もすべてオープンソースとして無償で公開しています。

東日本大震災以降、温暖化などの影響により全国的に洪水被害が激甚化するなか、避難情報の伝達の重要性が高まり、防災行政無線の限界を補完するため、スマートフォンアプリによる災害情報提供システム「クレバーメディア」の開発に取り組んでいます。

2019年より茨城県境町にてクレバーメディアを利用した避難情報伝達アプリ「SakaInfo」の本格運用がはじまりました。警戒期に町役場から住民のスマホアプリに避難情報を音声でプッシュ通知するとともに、平時には子供のみまもりなど防犯情報の伝達システムとして利用されています。

また、クレバーメディアは千代田区の地域メディア「webラヂオちよだ」(スマホアプリで聞けるWebラジオ)として参加型の番組づくりなど、実証実験に取り組んでいます。

クレバーメディアは、このように平常時は地域情報メディアとして、災害時には避難情報提供システムや要援護者の安否確認システムとして、全国の自治体への普及を目指しています。
 

協働を支える情報プラットフォーム

現在は、以下のオープンソフトウェアがすべて無償で公開されています。
 
(1)「eコミグループウエア」
多様なグループがコミュニケーションを通じて市民の知恵を結集し、さらに、行政や専門家の専門知を統合して、社会に新たな価値を生みだす ソーシャルなグループウェアとして、「eコミ‐グループウエア」を提案します。設定と運用によって地域コミュニティや市民活動団体のグループウェアや ホームページ、ポータルサイト、SNS、個人ポータルとして利用できます。また地理情報システムやデジタルアーカイブシステムなど のWebサービスと連携して様々なサービスを統合してワンストップで利用者に提供するコックピットの役割を果たします。
 
(2)相互運用型地理情報システム「eコミマップ」関連ソフト
インターネットを介して地図や航空・衛星画像、位置情報を持った文書や映像を統合的に扱うことができる地理空間情報システム(GIS)です。国際標準的技術を用いてシームレスに利用できる地図の相互運用性を有しています。相互運用技術により異なる機関やグループが公開している地理空間情報を相互にリアルタイムで取得 し、組み合わせて利用することができます。さらに、それら の上にオリジナルの情報を加えて新たなマップを作製し公開することができます。また、このような地理空間情報の利活用は、東日本大震災の教訓を踏ま えた災害対策基本法の改正によって、国や自治体等に応急対応者の責務として課されいいます。
 
(3)デジタルアーカイブシステム
地域の文化や災害の記録を多メディアで行うことができるデジタルアーカイブシステムです。写真や動画などの映像コン テンツのほか、地理空間情報、文書、音声等のコンテンツを統合的に扱うことができます。
 
(4)官民協働危機管理クラウド
市町村や都道府県、ライフライン等の各種民間事業者、医療・福祉機関等の防災関係機関が、自然災害の警戒期や発災後の応急・復旧対策に、関係機関と相互に情報共有を図りながら連携して迅速かつ効果的に災害対応を実行するためのシステムです。地理空間情報の共有のための相互運用に対応しています。また、総務省の公共コモンズにも対応し、 緊急速報メールや地デジの文字放送へのデータ配信、フェースブックやツイッターなどのSNSへの情報発信などを一元化し、多メディアを通じて ワンストップで避難情報等を住民等に伝達することができます。さらに、気象庁が配信する気象情報や国土交通省が提供する河川水位情報を、リアルタイムなトリガーとして様々な判断や対応を支援する機能を有しています。同システムは、自然災害に止まらず、大規模イベントの警備、口蹄疫や鳥インフルエンザなどの感染症対策、企業のBCMなどにも利用できる汎用的な危機管理のプラットフォームとして開発されたものです。

(5)クレバーメディア
音声でテキストで情報を伝達するスマホアプリです。平常日はWebラジオシステムとして地域情報の共有やシティープロモーションなど地域情報の発信にできます。また、災害時は避難情報等、音声と文書による災害情報のプッシュ通知や位置情報を活用した災害時要援護者の安否確認が可能なシステムです。多言語、多チャンネルに対応した次世代型の音声情報プラットフォームとして、また、タイムシフト機能やアーカイブ機能を有し、音楽文化の振興や市井の人々のオーラルヒストリーのデジタルアーカイブのプラットフォームとして普及を目指します。