避難所DX化のお手伝い②

今回も三重県下の某連合自治会様の防災訓練において、避難所DX化のためのトライアルを実施、当団体はそのお手伝いをさせて頂きました。

どんな訓練?

前回同様、避難所の入所受け付けにターゲットを絞り、従来の避難者カードの代わりにシステムを使った受付を実施しました。具体的には、住民はシステムに必要な情報を事前登録しておき、入所時にシステムが自動生成したQRコードを受付端末のカメラにかざすという電子マネー決済と同じやり方です。

いざ受付開始!

老若男女、家族連れ、多種多様な人達が順不同で押しかけてきます。ほとんどの方が事前登録を済ませてくださっていたので、受付ではQRコードをかざすだけ、「えっもう終わりなん?」「これだけでええの?」と仰る方が多く見受けられました。

会場には首長も一住民として訓練にご参加くださいました。

事前登録できていない人も、その場で登録を済ませて次々と入所くださいました。ご高齢の方もいらっしゃいましたが、途中で断念された方は一人もいませんでした。

訓練を終えて

避難所DX化のためのトライアルは、受付処理がとても迅速かつスムースに、どなたでも利用できることが実証できました。

受付用にタブレット端末は3台用意しましたが、一度に大勢の方々が押しかけることがなかったので混雑もせず、115人/時間、ピーク時で平均約14秒/人(前回は平均約4秒/人)という速度で受け付けることができました。従来の避難者カードによるやり方では受付側の台帳管理も必要ですから、これだけの速さで受け付けることは到底難しいと思います。

よく「電源がないとダメだ」とか、「インターネットは使えなくなるからダメだ」とか、ITツールに否定的な方がいらっしゃいますが、だからと言って災害時にスマホを自宅に置いてくる人は皆無に等しいと思います。できないことを並べるのは簡単で、できるように何とか考えたり努力するのが本当の防災で、電源確保はもちろんですが、避難者のためにスマホ等の充電設備、可能であればWiFiの設備など、避難生活が長くなればなるほど日常生活に近い装備が求められると思います。私は311発生時に関東に居て、電話がまったく繋がらないがSkypeではあっさりビデオ通話できてしまうという体験を自らしています(流石にビデオ通話で帯域を占有するのは申し訳ないので慌ててOFFにしましたが)。

参考までに

今回使用したシステムについては、前回の記事「避難所DX化のお手伝い」をご覧ください。

その記事には「マイナンバーカードが使えれば事前登録が不要になり...近い将来、健康保険証や自動車運転免許の一体化による携帯の常習化や、マイナカードのスマホ搭載および対応スマホの普及が進むとかなり現実味を帯びてくるでしょう。」と書きましたが、既に健康保険証や自動車運転免許の一体化が進みつつあります。とは言え、警視庁のホームページには「現行のシステムでは、マイナンバーカードを更新しても運転免許の情報は引き継がれません」とか、運転免許証としての情報(免許番号や有効期限など)が券面に記載されていないなどの課題は山積みのようですが。。。

当団体は、防災災対策・危機管理・災害対応に関する調査・研究・各種コンサルティング、図上・避難訓練の支援(企画・実行・評価)などを行なっております。ご不明な点、お悩みのことなどなんでも結構ですので、お気軽にこちらからお問い合わせください。

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